Aの魔法陣・間違った社員教育リプレイ
第16話
亜里紗さんって、お幾つなのかしら
久しぶりにAの魔法陣を遊ぶことになった。
前回のプレイから実は1年以上が経過しており、その間になんと、このセッションのキャラクターたちが主人公の、同人フライトシューティングゲームが完成して発売されてしまっていた。時の経つのは速いものである。
ルールがかなり変わっているようなので、SDとしては、よく読み込んでから始めないといけない。
外出の移動時間を使って、ルールブックをあらためて再読する。
SD:(コミックパートを読む)里奈ちゃん可愛いなあ…。お母さんも、すっかり素敵になっちゃって…
…はっ!
げふんげふん。
そうではなく。そうではなくて!
今日は、プレイのためのルールの詳細把握が目的。巻末のテキストを特に、よく読み込むのだ。
SD:うーん、ルールがだいぶ変わってるなあ。遊び方も、だいぶ変わるぞ。
Aの魔法陣、第3版と第4版。「成功要素で難易度を削る」という一番大事なエッセンスこそ残っているが、単に版の数字が変わっただけではない、大きなルール変更が多数存在する。
一番大きな変更は、ターン毎の処理の変更、簡略化だ。
第3版までは、毎ターン、原則として各プレイヤーに順番に手番が回り、その手番の中で、作戦立案→行動宣言(必要ならロールプレイ)→成功要素提出(必要ならロールプレイ)→成功要素抽出と行動の成否判定を行っていた。このルールでは、手番でないプレイヤーは、作戦立案のサポートやロールプレイに合いの手を入れることはできても、M*を削ることには主体的に関わることができなかった。
第4版ではこれが大きく変わる。各プレイヤーの手番という概念が廃され、原則、毎ターン、参加プレイヤー全員による作戦立案のフェイズと、そのロールプレイフェイズのみに分割された。これにより、手番待ち時間が根本的に解消されたのである。
また、第3版では、成功要素をたくさん提出することができた。だが、そのせいで成功要素を上手にたくさん出そうとすると、提出作業自体に時間がかかってしまうというデメリットがあった。
第4版では、全プレイヤーが作戦立案時に1つずつ、ロールプレイ時に1つずつ成功要素を提出することとなった。あれこれ悩む必要がなくなったので、提出をスピーディに行えるようになるだろう。
細かいところでも、前提変換の定義がさっぱりとわかりやすい内容になるなど、端々でプレイアビリティが向上している。
SD:…ふむふむ。キャラクターのルールは、基本ルールだとこうなっているのか。…
キャラクターは、セッションごとに成功要素を登録する方式は取らず、成長にあわせて成功要素を1つずつ取得するよう、変更になった。
第4版では、万能成功要素禁止のルールはない。
よって、万能性を気にして成功要素の内容を絞る必要はない。
ただし、新たに取得する成功要素は、直前に取得した成功要素と関連したものにする、というルールが、基本ルールにはある。
そして、基本ルールでは、初めて作成するキャラクターは成功要素を3つまで登録できる、とのことだ。
成功要素には、従来にない「パワー」という数値が割り振られる。
これは、その成功要素が抽出された場合に、難易から削ることのできる基本数値だ。
パワーは、最初に登録された成功要素では11、次に登録された成功要素では12…と、成長に従いだんだん増えていく。
なお、パワー10が、普通の人の持つ平均的な成功要素のパワー、と定義されている。
パワー11は普通の人よりわずかに秀でた成功要素ということなので、【億万長者(11)】と書いても実態が伴わないのでダメ。【自称・億万長者(11)】とするべきとのことだ。(…もっとも、登場する人すべてが金をざくざく持っているような世界観なら、億万長者であることに対した価値もないのでこの限りではない)
SD:たとえば、志真さんはこんな感じかなあ?
まず最初に、SDがプレイヤーを担当するときに使う、北遠野志真のキャラクターシートを作ってみた。
なお、原型欄は、Aの魔法陣・第3版のキャラクターメイク時に決めた原設定をそのまま写したものである。
Aの魔法陣(第4版)・間違った社員教育 キャラクターシート | ||
---|---|---|
名 前 | 北遠野 志真(きたとおの しま) | |
年 齢 | 26 | ![]() |
性 別 | 女性 | |
血 液 型 | O型 | |
星 座 | いて座 | |
容 姿 | するどい目つきに太い眉。背は小さめでスリム。 艶のあるロングヘア、ポニーテール。 |
|
原 型 | コミュニケーション能力が高い | |
自己中心的で現実的である | ||
欲求に対してストレートで積極的 | ||
失敗することがあっても、あまり気にしない | ||
頭脳派・勉強はできるほう | ||
設 定 |
北遠野重工社長令嬢。お嬢様。 気が強い才媛。目的のためには手段を選ばない。 ちょっとだけ常識のないところがある。 会社の様々なプロジェクトを任されリーダーシップを発揮する存在のはずだが、 社会勉強・修行のためという名目で、平時は資材部資材課に席を置く。 |
|
成功要素 |
【社長令嬢(11)】 【英才教育による知性(12)】 【常識にとらわれない行動力(13)】 |
この1年以上の期間で、同人フライトシューティングゲームのほうを作成していたのだが、その際にいくつか整理した設定がある。
これまで遊んできたセッション内容を踏まえたものや、矛盾しないものも多いのだが、残念ながら矛盾するものもある。
今回遊ぶ内容は、これまでのセッションとつながった世界観で遊ぶことにしたので、飛行機は出てこない。
だが、同人ゲーム作成時に整理した設定のうち、矛盾しない部分は踏襲することに決めた。
たとえば、みんなが勤めている会社の名前である。
これまで会社の名前は決めてこなかった。また、志真の家族が経営する財閥がどのような組織であるかも決めてこなかった。
この二つが一致してしまっているほうがわかりやすい、ということで、会社を「北遠野重工」と決めた。
その結果、志真は自動的に「社長令嬢」に昇格? したのである。
SD:セッション内容は…
みんなに聞いた要望・ネタを総合すると、こんなかなあ(書き書き)。
…ういーす。
早瀬:あ、どうも。
SD:初手は、亜里紗をNPCにする形になりそう。
早瀬さんを使う前提で、成功要素登録をしておいていただけるとありがたい。
早瀬:了解です。
凛々子:みぃ。おばんです。
SD:どもです。成功要素登録をお願いします。
凛々子:あい〜。
SD:二人とも、成功要素を3つ、可能なら1→2→3と関連するように取ってください。
凛々子:志真さんのを参考にします。
SD:成功要素1のパワーが11、成功要素2のパワーが12、成功要素3のパワーが13です。
アイテム的なものとかもいけるよ。
擬音とか、何を表してるかよくわからないものはダメですが。
1番目の成功要素は、別に肩書きじゃなきゃいけないってことはないからねー。
志真さんはなんというか、キャラの個性の根っこがそこなので、そうするのが一番楽でして(笑)
早瀬:では。
早瀬のキャラクターシートが完成した。
Aの魔法陣(第4版)・間違った社員教育 キャラクターシート | ||
---|---|---|
名 前 | 大河 早瀬(おおかわ はやせ) | |
年 齢 | ? | ![]() |
性 別 | 女性 | |
血 液 型 | O型 | |
星 座 | 蟹座 | |
容 姿 | ショートカットのお姉さん。 |
|
原 型 | コミュニケーション能力が高い | |
自己中心的で現実的である | ||
花や動物に深い愛情を注ぎ、詩的で感受性が鋭いが、好き嫌いが激しい | ||
感受性豊かで直感的に物事を判断する | ||
肉体派・スポーツが得意 | ||
設 定 |
どーってことのない私立高校の、どーってことのない保健体育教師。 スポーツ万能で、特に古武術二刀流では師範クラスの腕を持つ…が、そもそもマイナースポーツのため、剣道部顧問だが、部の運営は学生に丸投げ気味。 幼なじみの真帆つながりで、資材部人脈に顔を出してくる。 |
|
成功要素 |
【保健体育教師(11)】 【変化に対応する反射神経(12)】 【一瞬の動きを読み取る眼の力(13)】 |
これまでのセッションのリプレイを読んできた人はすでにご存じと思うが、早瀬の職業は、実は教師である。
この設定は、同人ゲーム版の設定とは異なっている(同人ゲーム製作時に、作劇の都合で北遠野重工に転職していただいたのだ)が、今回、この部分は従来の設定のまま、セッションを行う。
別の世界観、並行世界、パラレルワールドなどの一つと考えていただきたい。…Aの魔法陣でよく遊ばれる世界観(式神の城、ガンパレード・マーチなど)も、七つの螺旋を織りなす並行世界だそうだし?
早瀬:う〜ん。なんか練り切れていない感がある。
SD:次に新しく成功要素とるときに、三つ目のやつから派生して取得することになるけどOK?
早瀬:あ〜、狭いかな。
SD:無理やりなチェインでもOKですけど。
早瀬:でも広く広くやるとただの万能キャラになりかねないので、時間かけて悩んでも良くなりそうな気がしないからこのまま行きます。
SD:早瀬さんの立ち位置は体育教師で確定でいいかしらん。
早瀬:そうじゃないと破魔矢あたりのネタが強引になってしまうんですよね…。
凛々子:…出来ました。
次いで、凜々子のキャラクターシートである。
Aの魔法陣(第4版)・間違った社員教育 キャラクターシート | ||
---|---|---|
名 前 | 風祭 凛々子(かざまつり りりこ) | |
年 齢 | 26 | ![]() |
性 別 | 女 | |
血 液 型 | AB型 | |
星 座 | おうし座 | |
容 姿 | 長身。ふわふわロングヘア。三白眼。 |
|
原 型 | 感情的だが洞察力が高い | |
頭脳明晰で二面性がある | ||
まわりから愛される | ||
審美眼に優れ、しっかりした美意識がある | ||
肉体派・運動神経がいい | ||
設 定 |
北遠野重工資材部所属。海外調達を主に担当。 非合法スレスレの品でも調達してくる。が、詰めが甘く欠陥品をつかんでくることもしばしば。 |
|
成功要素 |
【相手の記憶に残る容姿(長身と三白眼で)(11)】 【海外で交渉が可能な語学力(12)】 【偏屈な相手とも取り引きが出来る交渉術(13)】 |
凜々子については、これまでのセッションでは「こだわりの店に詳しい」程度のポジションであったが、同人ゲーム制作時にその設定を強調して「スゴ腕の調達担当、特に旧東側からよく物資を引っ張ってくる」キャラクターと設定された。
この設定は特に従来のセッションと矛盾しないので(笑)、同人ゲーム版の設定をそのまま踏襲することとした。
凛々子:こんな感じで如何でしょうか?
SD:おっけーです。
SD:では始めますー。
SD:我はこれよりSDとしてM*より始まるゲームの目的を記述する。
M*亜里紗の誕生日祝いにケーキを用意しよう。ろうそくは歳の数だけ立てたいよね。 難易度150
ちなみに、ルールブックには記述がないが、ゲーム終了時の「我はM*より始まるゲームの目的が達成されたことを証明する」という様式もある。
こちらも、いつも忘れている…
どちらも、ゲーム時間に入ったことを明確にプレイヤーに意識させ、最後も明確に締めて終わる、という実に重要な意義があるもの…と推察される。
SD:イントロです。
北遠野重工資材部資材課。
社員一同、デスクに向かい今日も平和な日常業務を営んでいる。
「ふぁあ」
変な声を出して、社員の一人である清水亜里紗が伸びをした。
頬には、手をついていたのか、赤い跡。
そのままおもむろにガタリと立ち上がった。
「お茶、淹れてきますね〜」
亜里紗は、誰にともなく宣言すると、白い小さなポーチを手に部屋を出た。
こうなると、亜里紗はなかなか部屋に戻ってこない。
例の計画を相談するにはもってこいのタイミングだ。
どうしようか————
SD:というわけで、作戦相談する前に状況を確定しましょう。
えぇと…まず凛々子さんと早瀬さんがどううち合わせて動けるかを置いてもらって、それから作戦立てですかね。
普通に(日数は決めてませんが)数日はあると考えていますので、そのくらい行動に使えます。
あとはNPC1名の成功要素を投入できるとします(その前提で難易度は150です)。
いちおう志真さんは試作してあるけど、真帆さん、すだめさん、岡嶋君あたりのだれか1人を選んでもいいです。
スケジュールがゆるいので、この状況確定のフェイズでは早瀬さんに凛々子さんが話を持っていくところをやってもらえばOK。
早瀬:…別に誕生日ネタは、このあたりの面子なら、皆さん一通り押さえていないのかなあ。
凛々子:誕生日自体は知ってても良いですよね。
早瀬:で、誕生日が近くなればパーティーやる話も出るでしょう。
早瀬のプレイヤー(凛々子):「確か誕生日分の空砲を撃つのよね?」
凛々子:(笑)
早瀬のプレイヤー(志真):「それはロイヤルサルート…」
SD:(亜里紗は給湯室でゲームを遊んでます)
凛々子:とりあえず、定時後にファミレスで打ち合わせ?
亜里紗を撒くのが大変そうですが。
SD(真帆):「駅前の○イホね? 早瀬にも連絡しておくね」
凛々子:あい。
SD:という感じで、早瀬が巻き込まれる段取りができましたんで。
じゃあ作戦会議フェイズですねー。
冒頭にも触れたが、改めてこれまでのゲーム進行との違いについて補足しておく。
第4版のルールでは、第3版と異なり、基本的にはプレイヤー毎に手番を分けずに、全員共同で事に当たるとして進める。
まず、ターンの始めに、状況確定したのち、全員で作戦会議をする。
その後、作戦に即したロールプレイを全員で行う、という段取りだ。
複数ターンあるならば、これを繰り返す。
成功要素は、作戦会議のときに各自1個、ロールプレイのときに各自1個だけ提出できる。
提出数が少なくてよいので、プレイヤーは、提出文の作成に悩む必要が無くなった。
第3版では難解だった前提変換のルールも、作戦会議で提出された作戦が良いものなら難易が下がる、というシンプルなものになった。
ロールプレイのとき、その内容が良ければパワーを加点、ややこじつけ気味ならパワーを減点して抽出する、というふうに、抽出のルールもわかりやすくなっている。
全体に、思考や文章推敲にかかる待ち時間を減らし、大事な部分だけを残し、全員が常時プレイに関わることができるように改善された、と言ってよいだろう。
オフラインで会って遊ぶよりも時間がかかりがちなオンラインセッションには、実にありがたい変更である。
一同が誕生パーティの趣向について延々と喧々諤々の議論を繰り返している最中。
「あの…ケーキ、要りますよね?」
おずおずと手を挙げて、真帆が聞いた。
「そりゃ、ケーキがない誕生パーティなんてありえないわ」
「当然ですわ」
「ろうそくも用意しないとね」
「十のケタは大きいろうそくにしてまとめる? それとも全部植える?」
「あ…」
「誰か、亜里紗の歳、聞いてる?」
「…」
SD:…で今に至ると思いねえ。
早瀬:誕生日にケーキを用意する。
ケーキに年齢分のろうそくを立てる。
ここで亜里紗の年齢を知らないことに気づく。という方向性の話を、お題のアイデア出しでしましたね。
で、昨日考えたところでは、必ずしも事前に年齢分のろうそくを用意することだけが解法ではなく、一本のろうそくが二本に分かれる仕掛けを用意しておくとか…
SD:(爆笑)
凛々子:なにそれ、こわい(笑)
早瀬:わざとブレーカー落としてろうそく抜き取るとか、そういう手もないわけではないとか、なんとか。
凛々子:亜里紗本人に建ててもらえば良いと思いますヨ。
きゃあきゃあ良いながら、ケーキを駄目にしそうですが(笑)
早瀬:「めんどくさいから1本でいいよ〜」ってなりそう。
SD:どうでしょ。うまく乗せて刺させるのも手だよね。
乗ってくれるかですが。
凛々子:そうですね。
「このケーキはアナタが年齢分のロウソクを刺すことで完全体にになるのよ!」
早瀬:もう少し、早瀬的に正攻法としては、ひとつめは、自宅に潜入して日記を調べる、ですね。
亜里紗の日記「昨日は奴は窓際まで来た。振り向いてはいけない(後略)」
ふたつめは、人事に潜入して履歴書とか調べる。
…いや実は入社年度と履歴書調べれば、社員の年齢くらい分かりますから(笑)
それ以外にも人事関係の書類なら年齢はごまかせない。つまんないけど!
凛々子:正攻法(?)だとそうですね〜。
あ、永遠の17歳という手もありますが(笑)
早瀬:乗りたい! その案、すごく乗りたい! …気持ちだけは。
とりあえず17本だけ立ててみて、予備含めて30本くらい用意しておいて清水さんの出方を見るのは面白そうだが…
凛々子:やってみたいですね(笑)
今のところ、
1.亜里紗に全部刺してもらう
2.正攻法で年齢を調べる
3.17本+α(亜里紗に刺してもらう)
というところですか。
早瀬:ですねえ。
凛々子:一番の正攻法である、直接聞くというのが挙がらないあたりが(笑)
年齢を調べるために海外出張とか(笑)
SD:客観的に見て、本人に刺させることは可能そうに見えるけど、本人不在の会議だと、「めんどくさいから1本でいいよ〜ってなりそう」と心配はするだろうなあ。
早瀬:「いや! 亜里紗なら17本くらい刺しておけば、3より大きな数は数えられないから大丈夫!」
SD(真帆):「ホントかなあ…」
凛々子:「そこまででは……いや、ひょっとして…」
早瀬:…そんな奴を資材部に置くな(笑)
ちょっと、お題の書き方が悪かった。
お題を達成するだけであれば、本人にろうそくを刺させる、というのも間違いではないが、特に面白みがなく終わってしまう。
本人が刺すことができない事情を、事前に作っておけばよかったかもしれない。
SDとしては誘導をすることは禁止されているので、ぎりぎり誘導ではない…と許してもらいたいラインで発言。…要修行である。
凛々子:どうせなら完全体のケーキにしたいですよね。
早瀬:亜里紗に、年齢がわかるような嘘のアンケートを書かせるというのはどうだろう。
凛々子:それは手ですね。
4.アンケートで年齢調査
亜里紗のみに回答させると怪しまれますので、資材部全員にアンケート用紙を配って。
早瀬:関係ない人の歳までわかってしまいますけどね!
凛々子:誤爆の嵐が……(笑)
ケーキの調達自体については志真さんの成功要素を使いますか。
で、年齢調査は我々の成功要素で。
早瀬:まあ、人事に凛々子さんが聞けば聞き出せそうな気はするんですよね。
凛々子:個人的には、アンケートをやりたいです。が、人事に聞くのも捨てがたい。
早瀬:え〜とね、アンケートだったら、アンケート用紙くらいは作りますよ?
凛々子:教師ですから作り慣れてそうですよね。
SD:ではそろそろ、作戦会議の制限時間なので、まとめましょうか。
ケーキは志真さんが調達ね。で、アンケート偽造、と。
早瀬:あること無いこと含んだアンケート用紙を作って、その中に年齢確認を忍ばせておく。
SD:(笑)その印刷を早瀬さんが行う?
早瀬:あ〜、データで送るので資材部で刷ってください。細かいけど。
凛々子:で、私がアンケートの許可を部長にとろうかな。勝手にやったら怒られそうですので。
SD:つまり、アンケートのデータ作成が早瀬さんで、実施を行うのが凛々子さん?
凛々子:そうです。
SD:了解。ではそれで行きましょう。
アンケートという案はかなりイイので、難易が半分になります。難易75になりました。
「『あなたは今、階段の手前にいます。どんな階段ですか?』…と。」
(もくもくと項目を作っている)
「『階段を上ったら、そこに動物がいました。その動物は何ですか?』」
SD:皆さん、ここで成功要素を1個提出してください。
作戦内容にちなんだもの。
このあとロールプレイのフェイズがありますので、そっちで出すつもりのものはまだ出さないでね。
まず、志真さんがケーキの調達にあたりますので、【社長令嬢(11)】を出します。
早瀬:【保健体育教師(11)】で。万能成功要素って便利よね〜…
SD:教員だからそういうプリント作るのは慣れてる、ってわけね。OK。
凛々子:凛々子さんが部長承認をもらいますので、【偏屈な相手とも取り引きが出来る交渉術(13)】を出します。
SD:凛々子さん、部長の娘だもんねー(笑)。OKです。
難易が11+11+13=35だけ削れて、これで残り難易40です。
作戦の良しあしに応じて難易度が減少し、さらに作戦に関する成功要素のパワーの分だけ、難易度が削れた。
残りの分を、続くロールプレイフェイズで成功要素を提出し、削り切れば、目的達成となる。
SD:作戦フェイズが終わったところで、部長に承認とるところは取れた、ことにしましょう。
個人的には、どういう言い訳で通ってるのか知りたいけど(笑)
早瀬さんは、アンケートの文面は作れて、印刷の段取りもできたことにします。
(志真さんはもちろん凄いケーキを発注かけておりますよ)
早瀬:このままだと、この後の早瀬さんの出番がなくなりそうな気がする。
メガネと白衣用意して資材部に忍び込もうかしら。
凛々子:なんでメガネと白衣なんですか(笑)
SD:メガネは真帆のを勝手に借りてくんでしょ。
SD(真帆):「あ…メガネ…メガネ…」
ひどい。
凛々子:(笑)
早瀬のプレイヤー(部長):「今回は、○○企画の○○さんに、アンケートを実施して頂きます」
早瀬:勿論、この○○さんが大河早瀬の仮の姿。
そのためのメガネと白衣。
アンケートの内容は、ちょっと書いたけど心理テストっぽいもので、その中に、年齢を簡単な四則演算したような項目を入れておくんですね。
早瀬本人が出てきた理由は、面白いから…というのもあるのですが、アンケート中の被験者の反応も見ます、ということにしておいて、亜里紗が真面目に書いているかどうか確認しておく。
SD:ちょっと待って、巻き戻してロールしようか。
SD(部長):「…凛々子や、このHY式心理診断というのは何かな」
凛々子:(モードチェンジ→優等生モード)
「GWを控えて5月病が心配されますでしょう?
毎年1人か2人はGW後に出社して来なくなりますし。
そこで、専門家による部員の心理状態についてのアンケートを実施したいと思いますの。
アンケートで悪い結果が出た部員には再教育、もといカウンセリングを勧めようと思います」
早瀬のプレイヤー(凜々子):「(ちっ、期待通りの答えするのも疲れるぜ)」
…とか書きたくなって仕方が無いです。
凛々子:「承認してくださいます?」
SD(部長):「確かにな。最近テレビでも、鬱病で出社しなくなった若者が会社を訴えたりするような話をやっていたしなぁ。
うちも清水君とかときどき調子が悪いようだし」
凛々子:(亜里紗はサボっているだけなのでは…)
という(笑)
SD(部長):「わかったよ。やってみよう」
SD:で、アンケート文面が着々と準備されていたわけだ。
(ログを見ながら)…
「あなたは今、階段の手前にいます。どんな階段ですか?」
「階段を上ったら、そこに動物がいました。その動物は何ですか?」
…読んでると逆に何かを悪くしそう(笑)どこに連れて行かれるんだ(笑)
凛々子:不安定になります(笑)
早瀬:「『ドアを開けたら何が見えますか?』」
早瀬のプレイヤー(亜里紗):「お花畑〜!」
凛々子:怪文書ですよね(笑)
これ、絶対、心理テストじゃなくて心理が乱される文書だよ(笑)
そして、いよいよテスト実施当日を迎えた!
SD:ということで、文書が用意されていよいよ実施当日ですね。
…平日じゃないのか?
凛々子:定時後とかだったら、組合活動はOKのようですね。
SD:早瀬は、教員の仕事は…
早瀬:研究日です。
SD:即答かい!(笑)
…確かにそれならOKやな。
早瀬:リアルに体育教師の本性出すと、上下ジャージでストレッチまで始めそうだけど、読者受け(?)を狙うと白衣メガネでしょう。
凛々子:(笑)
早瀬:それでもあの資材部なら、目移りする対象が多すぎて大して注目されないけどねっ!
SD(部長):「あー諸君、今日は諸君に、簡単な問診を受けてもらうことにした。
特に不調なものはいないと思っているが、まあ、健康診断のようなものと思ってもらいたい。
ただ、調子が悪いものは、無理せずそのとおり回答するように…
では風祭クン、後は頼む」
いちおう対面があるので、たとえ娘でもこう呼ぶかな、と。
凛々子:「はい、承りました」
部長が退出したのを見計らって。
(優等生モード解除)
「ATTENTION!」
SD:ああそうか、定時後か。
こういう問診なら部長は退出するのが自然ですね。
凛々子:問診だったら別室でやりそうですけれどね。
今回はアンケートを直接早瀬さんに手渡すという方式ですね。
「問診が終わった人からお家に帰っても良いわよ。では先生、お願いします!」
早瀬:「皆様、定時後の貴重なお時間を(中略)
私は○○研究所の(中略)
これから問診を行いますが、そんなに難しくありません、アンケート形式です」
SD(芽衣子):「…!」(笑いをこらえている)
凛々子:部内のあちこちから、ブフッという声が(笑)
早瀬:「余り構えずに記入して頂いて構いませんが、嘘は書かないでください。
以前、嘘を書いた人がいて(中略)
それから私が毎回、アンケート場所にも行くことになっています」
SD:(爆笑)
中略のところが気になる!(笑)
早瀬:「終わった方から提出して頂いて構いません。では、始めて下さい」
一斉に用紙に記入を始める一同。
SD(亜里紗):「えーっと。どれどれ〜?
…あ、せんせー! 質問ですー」
早瀬:「先生じゃなくて、○○でいいですよ。なんですか?」
SD(亜里紗):「名前は書くんですか?」
凛々子:そこから(笑)
早瀬:「はい、こちらに記入欄があります」
SD(亜里紗):「はーい」(しばし読みながら記入中)
「んー。むかしむかし丘の上に木を植えました、なんの木ですか? ですかー。えーっと…」(かきかき)
「植えてからどのくらい育ってると思いますか? んー…」(かきかき)
「できましたー。もう帰っていいの?」
早瀬:「はい、こちらに提出して頂ければ退出して結構です」
SD(亜里紗):「じゃあよろしくお願いします。いい点つけてくださいね」
早瀬:「試験ではないですので大丈夫ですよ〜。
先程申しましたとおり、直接人事評価の対象になるようなものではありません」
SD(亜里紗):「お先でーす、お疲れ様でした−」
SD:というところで亜里紗は退出していきました。
さて、ロールに関する成功要素の提出ですが…
早瀬:【変化に対応する反射神経(12)】で、今回の年齢計算に必要な質問項目での亜里紗の反応を確認しておきます。
要するに、そこで嘘を書こうとしていないことを確認したいのですが。
SD:あー。亜里紗が嘘つくとは思えねえ(笑)
凛々子:ナチュラルに間違えそうですけれど、その場合は確認不可能ですねぇ(笑)
早瀬:四則計算間違えるという落ちは考えたけど、そうなったら素直にSDを褒めよう。我々の負けだっ!(笑)
SD:了解。【変化に対応する反射神経(12)】、演技おもろかったから5割増しで着弾します。
18点引いて、残り難易22です。凛々子さんは?
凛々子:【相手の記憶に残る容姿(長身と三白眼で)(11)】ですね。
目立つ容姿で部員の注意を引き、アンケートを確実に実施します。
SD:うぃうぃ。同様に5割増しで16点かな。残り6点。
凛々子:志真さんは出題意図から逆に計算しそう。
SD(志真):「年齢を17歳になるようにすると、逆算すると…」【英才教育による知性(12)】で。
まあちょっと無理矢理気味なんで半分かな。6点。…ぴったり?
凛々子:おお!
SD:ぴったりだね! ちいいい。サイコロ判定にならんかった(笑)
Aの魔法陣・第4版では、第3版に比べてサイコロ判定のルールが大きく変更され、わかりやすくシンプルになっている。
出目に1が混じったら失敗など、第3版では、サイコロは振れば振るほど不利、という側面があったが、これらはすべて廃止された。
詳しくはルールブックを参照されたい。
難易度の数値を設計するときには、がんばらないとサイコロ判定、になるように設計したのだが(…ちっ。惜しかった)。
それだけみんながんばったということだ。
SD:…ということで、早瀬さんの手元には亜里紗の解答用紙があります。
複雑怪奇な回答から逆算すれば…
凛々子:この情報が、すだめさんに幾らで売れるか…
早瀬:まあとりあえず、この場はボロ出さずに撤退しますね。
SD:早瀬さんと知り合いじゃ無いひともいるからね。
早瀬:「どうして亜里紗は私だと気づかなかったんだろう…」
SD(志真):「メガネかしら?」
凛々子:「白衣かもよ?」
早瀬:「エクステ?」
SD(真帆):(回想)「早瀬! そのメガネ、いざってときの予備なんだから! 絶対汚しちゃだめよ?」
SD:さて亜里紗の年齢ですが? 2○歳だよね?
…25ぐらいなのかなあ?
早瀬:逆算逆算。
「へ〜、誰々さん(男性)頭の毛(自主規制)なのにまだ20代なんだ〜」
関係ない人の年齢を計算する早瀬。
SD:(爆笑)
ひどい(笑)
凛々子:(笑)
SD:じゃあ、ケーキが用意されました。M*達成です!
一応次のM*として、誕生日プレゼントを用意しよう、というのを考えているので、誕生会の様子はお預けとさせてください。
それで…一つM*クリアしたので、成長できまっせ。
成功要素が1個増えます。パワー14のが。
早瀬:大河早瀬はメガネ白衣属性に目覚めた! …?
凛々子:え、まさかのテコ入れ?(笑)
早瀬:いやどちらかというとこの世界、体育会系の方が人足りないですよ?
SD:「セッションの経験で成長した」ということについてはこだわらなくてよいです。
パワー13の成功要素に関連するものを登録するようにお願いします。
明日スタートまでに考えといてちょ。
凛々子:りょーかいです。
早瀬:「亜里紗を落とすにはやっぱり肉じゃがよね〜」
SD(芽衣子):「その話詳しく!」
凛々子:「あああ、すだめさんが道を踏み外して家庭的な女性に!」
早瀬:「それ、踏み外したんじゃなくて戻ってる…」
凛々子:料理って、まるごとリンゴ・はちみつ入りべた甘カレーとかですか(笑)
早瀬のプレイヤー(志真):「須田さんを箱に入れてラッピングするのが一番では?」
早瀬のプレイヤー(凛々子):「はい、箱、用意したわよ」
早瀬:「あれ、この箱、完全密閉、酸素シャットアウト! って書いてあるよ?」
早瀬のプレイヤー(芽衣子):「殺す気か〜!」
SD:ひどい(笑)