Aの魔法陣・間違った社員教育リプレイ
第22話
アスパラガス・カーニバル
大型連休、真っ最中!
ちょっとセッションやりませんか? と集まった奴らがいた。
SD:なにかネタを出していただけると…。
凛々子のプレイヤー:料理ネタはちょっとやりたいですね。
SD:アスパラをキーにすると時流に乗れるかしら?
凛々子のプレイヤー:Twitterで流行ってますけど、アスパラネタは元々何からはじまったんですか?
早瀬のプレイヤー:確かに気になります。
アスパラをお題とした、セリフの単語を置き換える大喜利が流行っているのです。
…念のため、「間違った社員教育」と「アスパラガス」のキーワードだけでここにいらっしゃった方で、「TRPGリプレイ」「Aの魔法陣」をご存じない方は、ぜひイントロダクションをご一読ください。
SD:なんでだろうね。ProjectICKX関係のタイムラインでの発端は、ガベさんのツイートだけども。
凛々子のプレイヤー:ガベさんってキャラ絵を沢山描いてくださってる方ですね。
いつもありがとうございます。我々も拝見してますよ!
凛々子のプレイヤー:アスパラは料理の幅が…と思ったのですけれど、検索してみると意外とありますね。レシピ投稿サイトでレシピ数が1万7千件だそうですよ。
早瀬のプレイヤー:私も幅がないかなあと思ってました…。
凛々子のプレイヤー:アスパラガスのチーズ焼き、美味しそう(レシピの完成写真を見ている)。
(じゃが○このアスパラベーコン味を使用したお手軽調理レシピを見て)コレスゴイですね、料理感が皆無!(笑)
ま〜、やっぱり肉巻き系が多いですね。
早瀬のプレイヤー:アスパラとゴーヤ…ICKX界隈ではアクの強いものが受けるんでしょうか…
凛々子のプレイヤー:ゴーヤも流行ってたんですか?(笑)
ゴーヤはアスパラに輪を掛けて料理のバリエーションが少ないですね(汗)
早瀬のプレイヤー:タイムラインにはちょっと出てきているっぽいです。
もう一つ食材を付ければアクの枢軸。
凛々子のプレイヤー:うまい!(笑) ゼンマイとかどうですか?
灰汁が強いうえにつぶしもきかないという(笑)
早瀬のプレイヤー:使い方の限られる食材が並びましたねえ。
凛々子のプレイヤー:料理出した瞬間、キャラクターの顔が曇るのが目に浮かびます(笑)
早瀬のプレイヤー:「まずいっ!もう一杯」的な何かでしょうか…
SD:アスパラガスの解説サイト読んでる。植生を調べたくてねー。
凛々子のプレイヤー:料理の話ないですね(笑)
SD:…ふむふむ、うんうん。なるほどねー。
この後、いくつかのネタだしをして、…そして当日。
凛々子のプレイヤー:とりあえず、晩ご飯でアスパラを食べました(笑)
早瀬のプレイヤー:本当に作ったんですか! …ちなみにどのような調理法で?
凛々子のプレイヤー:グラタンですね〜。アスパラ+ベーコン+エリンギ+チーズ。
材料はこれだけの簡単料理でした。
早瀬のプレイヤー:アスパラは短く切って入れましたか? 長いまま載せましたか?(こまかい)
凛々子のプレイヤー:(笑)幅3mm、切断角度30度(鋭角)で切りました。ベーコンに合わせて、ですかね〜。
早瀬のプレイヤー:なるほど、味のまとまり重視ですね。
見た目重視だと長いまま載せたり立てたり(笑)するんでしょうけど、長いのかじるのが好きなアスパラガス好きじゃないと食べにくそう。
凛々子のプレイヤー:よく茹でないと固いですからね。誕生日ケーキと勘違いしてる?(笑)
早瀬のプレイヤー:それ以前にオーブンに入らないとか…
そこまでするとは立派。はてさて、本編に反映されるか…
なお、今回は凛々子と亜里紗で挑戦する(亜里紗は、普段は早瀬を担当しているプレイヤーが担当する)。
それぞれ、キャラクターシートは以下のとおり。
Aの魔法陣(第4版)・間違った社員教育 キャラクターシート | ||
---|---|---|
名 前 | 風祭 凛々子(かざまつり りりこ) | |
年 齢 | 26 | ![]() |
性 別 | 女 | |
血 液 型 | AB型 | |
星 座 | おうし座 | |
容 姿 | 長身。ふわふわロングヘア。三白眼。 |
|
原 型 | 感情的だが洞察力が高い | |
頭脳明晰で二面性がある | ||
まわりから愛される | ||
審美眼に優れ、しっかりした美意識がある | ||
肉体派・運動神経がいい | ||
設 定 |
北遠野重工資材部所属。海外調達を主に担当。 非合法スレスレの品でも調達してくる。 が、詰めが甘く欠陥品をつかんでくることもしばしば。 |
|
成功要素 |
【相手の記憶に残る容姿(長身と三白眼で)(11)】 【海外で交渉が可能な語学力(12)】 【偏屈な相手とも取り引きが出来る交渉術(13)】 【対人情報収集能力(14)】(第17話から) 【海外調達担当(11)】(「社会人ゲーム」) 【三白眼(12)】(「社会人ゲーム」) 【強気(13)】(「社会人ゲーム」) 【詰めが甘い(14)】(「社会人ゲーム」) 【ケーキカフェめぐり(15)】(「社会人ゲーム」) |
Aの魔法陣(第4版)・間違った社員教育 キャラクターシート | ||
---|---|---|
名 前 | 清水 亜里紗(しみず ありさ) | |
年 齢 | 2○歳? | ![]() |
性 別 | 女性 | |
血 液 型 | B型 | |
星 座 | いて座 | |
容 姿 | 視力良好、メガネ要らず。 ちょっと短めのおかっぱ。 |
|
原 型 | 感情的だが洞察力が高い | |
自然体というかだらしないが発想力がある | ||
明るく、チャーミングな雰囲気でユーモアがある | ||
失敗することがあってもあまり気にしない | ||
頭脳派・知的な専門分野に打ち込んでいる(脳トレ) | ||
設 定 |
資材部のマスコット。 天真爛漫、元気と朗らかさが取り柄である。 天然ボケ。悪気なしのドジっ子。機械オンチ。 「はわわ」、「はうー」が口癖。 交友関係が広く、職場の事情通。 「私とめーこさんは将来を誓い合うであろう仲なのですよー」 |
|
成功要素 |
【素直(11)】 【子供っぽい所作(12)】 【職場のファン(13)】 【社内の事情通(14)】 【マスコット(11)】(「社会人ゲーム」) 【元気な(12)】(「社会人ゲーム」) 【天真爛漫(13)】(「社会人ゲーム」) 【そそっかしい(14)】(「社会人ゲーム」) 【コンピューターゲーム(15)】(「社会人ゲーム」) |
SD:さてさて。みなさんおる?
凛々子のプレイヤー:イマスヨ〜。
早瀬のプレイヤー:あ、はい。
SD:では、いってみましょうかね。
凛々子のプレイヤー:やってみますか!
連休に入った日本列島。
北遠野グループ系列の北遠野フーズにも長期休暇が訪れ、社員たちはそれぞれつかの間の休息を楽しんでいた。
そう、ごく一部の研究員を除いて。
凛々子のプレイヤー(→凛々子):このパターン…デジャブ…こいのぼり…?
異変に気がついたのは、その上司だ。研究員達の、休日出勤の作業成果を聞くために連絡を取ろうとすると、電話がつながらない。
守衛室まですべて音信不通。これはただ事ではない。
上司はすかさず警備会社に連絡した。
到着した警備員達は、変わり果てた光景を目にする。
大量の植物に埋め尽くされた北遠野フーズの広大な敷地…
早瀬のプレイヤー(→亜里紗):全年齢対象でお願いしますね?
そう、アスパラガスだ。
凛々子:ばいおはざーど(笑)
亜里紗:ですねえ。
空飛ぶアスパラなんちゃらとか。
SD:…そして連休明けの北遠野重工。
SD(志真):「というわけでですね、…ちょっと、アスパラガスが、採れすぎてしまったのですよ。
伐採…もとい収穫は順調なのですが、保存しようにも倉庫に入りきらないのですわ」
凛々子:「どんどん出荷すればいいんじゃない?」
SD(志真):「このまま市場に流すのも、遺伝子…(げふん)…卸価格に影響が出てしまうので、まずいのですよ」
凛々子:なんか言いかけた(笑)
亜里紗:バイオハザードっぽくなってきた。
凛々子:「……破壊するのは価格だけじゃなさそうね」
SD(志真):「まあ、食べても問題ないことは確認済みですので、せっかくですから、近隣住民の方を集めてパーティでもどうかと思いまして…」
亜里紗:ツッコミたい。誰が確認したのツッコミたい。早瀬だったらツッコむのに。
SD(志真):(アスパラの詰まったタッパーを取り出して)
「そんなに怖がらなくても、(もぐもぐ)こんなにおいしいですのに…」
亜里紗:こんなところにも犠牲者が。
凛々子:志真さんの目がグルグルお目々になっている所を想像(笑)
SD:料理を創作するゲームにするか、イベントを企画運営するにするか、どっちがいい?
亜里紗:アスパラ消費するイベントって…
ん? 食べなくても消費すればいい? 燃やして火祭りにするとか。
凛々子:モッタイナイ!
亜里紗:アスパラ飛ばし大会とか。
凛々子:メンバー的には、イベントを企画運営する方が慣れてますね(笑)
SD:ネタ出しのときいろいろ調べてくれてましたし、料理を創作するほうにしましょうかね。…いい?
亜里紗:いいでーす。
凛々子:OKですー。
亜里紗:イベントの方はこいのぼりでも飛ばして人集めしておいてください(笑)
SD(志真):「それで、イベントで振る舞うお料理の案を募集している真っ最中なのですわ。
採用されると、謝金が支払われるそうですよ?
私もちょっと試してみたのですが…(ちらりと給湯室に目をやる)」
SD:(給湯室から真帆のくぐもった声)「むぐぐぐ…これは…だめです…」
凛々子:(ちらりと見て)「食べさせたの? なんてことを…」
SD(志真):「というわけですの。私では無理なようですので…あとは、お願いしますね!?」
凛々子:ああ、被害担当艦・真帆さんデスネ(笑)
SD:ちなみにタッパーの中身は自作ではないそうです。
凛々子:「良い料理には良いキッチンね!」(道具から入る人)
M*未来アスパラを使ったおいしい創作料理を完成させよう! 難易度72
「Aの魔法陣」についておさらいしておこう。「M*」が最終的に達成したいゲームの目標だ。
これに、「難易度」という数値が設定されている。
プレイヤーは、自らが担当するキャラクターの保有する「成功要素」を駆使して、難易度の数値を減らしていき、ゼロになったら目的達成、というゲームだ。
一般的なコンピュータRPGに例えるなら、M*が倒すべきボスのモンスター、難易度がボスの体力、成功要素が主人公たちの攻撃スキルで、攻撃スキルを駆使して体力をゼロにしたら勝ち、という、そんなイメージだ。
もっとも、Aの魔法陣においては、面白いお話を紡ぐことが最優先とされ、目的の達成による勝利はその次の目標とされているのだが。
はてさて、今回はどんな物語が紡がれますか…
亜里紗:何ですか! その未来アスパラって。
SD:普通とちょっと違うだけデスヨー。
凛々子:世界の食糧難解決デスネ。
SD:すぐ育つ、よく育つ。食べた人元気元気。
亜里紗:『イメージキャラクター・未来(みく)』とか先に決まってませんか?(笑)
凛々子:味は確かなんですよね?(笑)
SD:タッパーのやつを味見してはいかがでしょう。
亜里紗:じゃ食べる。もぐもぐ。
SD:茹でたものを志真がおいしそうに食べた、ということ以外は決めてません。
本当のところ、味はどうだろうね。
亜里紗:ではやはり青汁的な何かで、「う〜ん、まずい、もう1本!」的な何かとか…?
凛々子:美味しいものを食べ慣れてる志真さんが無事なら、きっと美味しいんでしょうね。
SD:ああ、なるほど。それもそうだね。
亜里紗:まさか目黒のさんま的帝王学で、「何でも食べられないと北遠野のトップには(後略)」なんてことは無いですよね…
SD:じゃあ、タッパーのやつはおいしかったよ、ということにしましょう。
凛々子:(アスパラを1本取って)「はい、亜里紗、あーん」
と、亜里紗にアスパラ(タッパーの)を食べさせます。
亜里紗:「あ〜ん。…はむはむ、おいしい!」
凛々子:「ふむ?」(亜里紗の瞳孔と脈を確認して)「大丈夫みたいね!」
SD(志真):「高級岩塩にミネラル豊富な天然水。採れ立てのアスパラガスをさっと茹で上げれば、まずくなるはずがないのですわ」
亜里紗:そう来たか!
SD(志真):「さすがに塩茹でばかりをトン単位で用意しても無理がありますので…」
凛々子:「じゃ私も(ぱくり)。ナカナカいけるわね」
亜里紗:「じゃ、わたしも見る〜、じー」(単に凛々子さんを見つめているだけ)
凛々子:「もう、照れるわね……美味しいわよ」
イラストを要求(笑)
亜里紗:同じく要求(笑)
(苦笑)このリプレイ、一応、挿絵追加計画はあるのだが、何しろ自分で描いていくものなので順調に延期されつつあったり。
凛々子:「素材は良さそうね。後は料理次第というわけね」
亜里紗:「真帆さんが食べたのはどんな感じ?」
SD(真帆):(見に来るな! とジェスチャー)
凛々子:(OK、理解した、とうんざりした顔でジェスチャー)
「で、志真。どのくらい消費すればいいの?」
SD:SDとして特に量は決めてないですが、とにかくいっぱいです。
こんなヒドイ展開であるが、作戦フェイズがはじまった。
SD:では作戦フェイズいきましょうかね。
今回は、料理の試作がM*なので、みなさんの行動でアスパラを使いはたす必要は特にありませんが、料理のアイデアに、使い果たそうという最終目的を反映するのはかまいません。
亜里紗:今回のアスパラの件は、特にオフレコにする必要は無いですよね? 部外秘とか。
SD(志真):「ええ、まあ、新製品の試食イベント、という形では告知する予定ですし、新製品をちょっと余分に試作してしまった、程度のことはかまいませんわ。
…事故とかなんとかそういうことはなかったんですのよ? いいですわね?」
凛々子:「いつか大事件を引き起こしそうね、この会社」(自分を棚に上げている)
「アスパラといえば、グリヴィー・ヴ・スミターニェが思い浮かぶけれど、」(URLで実例を示しつつ)ソレシア料理の”つぼ焼き”ですね。
亜里紗:説明ありがとうございます。
凛々子:「手間が掛かるのよね〜。
大量生産するなら、ピザみたいにチーズ焼きにするのはどうかしら?」(レシピのサイトURLを見せる)
作り方は、
(1)アスパラを切ってさっと塩茹でする
(2)溶き卵に粉チーズや生クリーム等を混ぜたものを用意
(3)アスパラを皿に移し、ミニトマトなど刻んで盛り、(2)を回しかける
(4)オーブンで焼く
という感じ。
SD:なるほど。
亜里紗:「すご〜い、凛々子さんお料理上手なんですね!」
凛々子:「これなら、1.切る、2.混ぜる、3.皿に盛る、4.焼く、の4工程で出来るわ」
亜里紗:一瞬「更に盛る」に見えて、ああ、ここで通常の倍のアスパラを消費するのかと空目。
凛々子:アスパラマシマシさらに倍! みたいな(笑)
SD:ラーメン○郎か(爆笑)
凛々子:「具にバリエーションつけられるしね。好きな具を入れていいわよ、亜里紗」
亜里紗:「じゃ、イチゴとパイナップル!」
凛々子:きたー(笑)
亜里紗:そりゃ、喫茶マ○ンテンだ!(とセルフ突っ込み)
SD:パイナップルは、実はイケるかもしれない。
凛々子:イチゴは、焼いたらどうなるんだろう(笑)
亜里紗:もとがキッシュっぽい生地だから、生地の中にイチゴが入ればあるいは…なのですが、アスパラとの相性が…
凛々子:(笑)
「……まぁ作ってみましょうか。(ボソ)食べるの私じゃないし」
亜里紗:「真帆さ〜ん、こんどはおいしいのできるから〜」
SD(真帆):(親指を立てて、机の陰にくずおれる)
凛々子:安定のひどさ(笑)
亜里紗:真帆さんが溶鉱炉ポジションに…涙を禁じ得ない(笑)
はてさて、真帆さんの運命やいかに!?
凛々子:では、料理はアスパラガスのチーズ焼き+バリエーションということで。
ミニトマトの部分が、色々変わる感じですね。イチゴとかに(笑)
SD:うぃうぃ。材料調達とか、どうするか考えてます?
亜里紗:試作段階なら普通にスーパーでもいいのですが、あの量のアスパラに対応するとなると…
凛々子:製造ラインは考えてますが、いかがでしょう。
切断機に、オーブン、混合機…(と、次々と機械の紹介サイトURLを提示する)
切断機のサイトは、コンベアで野菜を流すと、高速でことごとく千切りにしてしまう機械の実演動画。
オーブンも、同じくコンベアで材料を流せば、蒸気の力で一気に焼き上げる機械。
いずれも実際に食品加工業務用に用いられるものだ。
最後の混合機のURLは…ミキサー車。えーと、これって一般的にはコンクリート用…?
亜里紗:流石は凛々子さん、用意がいい。
SD:(爆笑)
亜里紗:リンクにある「ミキサー車」の文字だけで吹いた(笑)
SD:製造ラインのことは、キャラクターたちはこの段階で相談するのかな?
凛々子:どうしましょうね…
亜里紗:ロールプレイフェイズで量産化ですかね?
折角ここまでネタがあるのに、使わずに普通に料理だけするのは勿体ない。
凛々子:では、作戦としては、提案する料理を実際に量産テストまですることにして、私はラインの試作、亜里紗さんは料理の試作を担当、ロールプレイフェイズで量産化、というのはどうでしょう?
SD:ふむふむ。いいね。
亜里紗:料理の試作途中で量産化の話が進むのは、リアル的には何とも胃が痛いのですが(笑)
凛々子:同じく(笑)
SD:アスパラが傷んでしまうので、時間との闘いなのです。
では、作戦を評価しますが、いい?
亜里紗:それでいきましょう。
凛々子:OKです。
SD:量産化を視野にいれたメニュー選定をしていること、さらに、製造ラインまで考慮し、しかも量産試験まで行う予定なのですから、よい作戦なので難易度が×0.7になります。
凛々子:有り難うございます〜。
SD:難易度が 72×0.7=50 となります。
では、作戦に関連する成功要素をひとつずつ提出してください。
亜里紗:亜里紗は9個もあるなあ。使えないのが(笑)
いくらボケ担当とはいえ、ここでこけると量産化までえらいことになるので、素直に【素直(11)】でレシピ通りに作ります。
SD:凛々子さんは?
凛々子:【海外調達担当(11)】で、海外の食品製造機械を持ってきます。
SD:了解です。
どちらも通って、50−22=28。残り難易度は28です。
そしてロールプレイフェイズ。
亜里紗:ここからが勝負だなあ。
凛々子:装置の調達からロールプレイしてもいいですか?
SD:いいですよ。
凛々子:(海外に電話して)
「Злравствуйте!(こんにちは!) 元気?
ちょっとすぐに用意欲しくてね。
えーとね、オーブンコンベアと高速切断機をそれぞれ1ダース、あとは新品のタンクローリね。
タンクローリは一台でいいわ。明日までね」
「(電話の向こうで抗議する声)」
「だから、すぐに必要なのよ。
…Нет!(ダメ!) いいわね? 明日の朝までに搬入ヨロシクね!」
SD:1ダースってライン試作じゃなくて本製造じゃねーか!(笑)
亜里紗:明日の朝…
凛々子:(次の日)「ほら、やれば出来るじゃない〜。ありがとね!」
亜里紗:鬼だ。調達の鬼がいる。
凛々子:無事搬入されましたとさ。
SD:業者は「アトデ倍払テモラウよ、割アワナイネ」とかなんとかぶつぶつ言ってるけど、追い返されていった。
で、機械が搬入されるわけですが、それ用に、空き部屋とか…いや、部屋じゃないな。
亜里紗:北遠野なら倉庫一つくらい空いてたりするのかなあ。
SD:そうね、空き倉庫とか使う感じだな。そこに次々と機械が運び込まれてきます。
SD(志真):「すごい機械ですわねー」
SD:作業員さんたちが「おい、三相交流はどこから取れば…」「隣の建物から引いてこないと」とかやってる。
志真は、せっかく量産されるなら、とばかりに、いそいそと出来上がりを品評するための段取りを始めた。
たくさんのテーブルと、テーブルクロスと、椅子と、持ってこさせて…
社員食堂に「臨時休業」のフダを出させて…。
折しもお昼の休憩時間が近づいており、昼食を求めてさまよう社員がちらほらと集まり始めた。
…そして担架で運ばれてくる真帆。
亜里紗:「凛々子さ〜ん、できたよ〜。おいしかったよ〜」(試作品を完成させたらしい)
SD:自称なあたりがアレだな。
凛々子:いきなり機械を使いこなせる亜里紗さん、地味にスゴイ(笑)
亜里紗:いや、亜里紗の試作は、普通に台所でやってますよ?
「おいしかったから全部食べちゃった〜」
SD:おそろしい。
ほかの誰も味を知らないまま製造テストに入ります(笑)
亜里紗:このあたりから、清水亜里紗の真価発揮なのですよ(笑)
凛々子:嫌な予感しかしない(笑)
亜里紗:「え〜と、今度はこっちの機械でつくるの? うわ、おっき〜い。
じゃ、分量は全部1000倍、っと…ぽちぽち」(電卓叩いてる)
凛々子:私はライン立ち上げしながら、亜里紗の段取りを機械に入力、ですかね。
いきなり分量1000倍での製造ということになった…! おいおい、大丈夫か?
亜里紗:「凛々子さん凛々子さん、ここに『胡椒少々』って書いてあるんだけど、『少々』の1000倍って、いっぱいでいいの?」
凛々子:「そうねぇ……いいんじゃない?」
亜里紗:「じゃ、胡椒いっぱいいれて!」
凛々子:「いっぱい、と」(機械に入力)
SD:ファジーな機械だな!(笑)
凛々子のプレイヤー(作業員):「あのー、ボタンに書いてある字が読めないんですが」
凛々子:「ソレシア製だしね。テプ○で日本語名のシールを作って貼っておきましょう。
緊急停止、電源ON、動作、停止、あとは……じばく?」
SD(作業員):「じば…? なんですか?」
亜里紗:「小さじ1杯の1000倍は…小さじ1000杯!」
これ、計量は人海戦術?
凛々子:自動小さじ計量機とか、作りそうですね(笑)
超高速で小さじが動く機械(笑)
亜里紗:その計量器、ちょっと見てみたい(笑)
凛々子:「小さじ1000杯、と」(機械に入力)
SD(志真):「小さじを1000本ですか? 用意しますよ」
凛々子:「あとで近隣住民にお土産として配っても良いかもね」
何人がかりで計ったんだろうか、それとも自動で計量したのだろうか?
そして…
亜里紗:「アスパラ2束の10000倍は…2万束!」
SD:ちょ!
凛々子:「2万束、と」(機械に入力)
SD:ちょ…まて…
亜里紗:「ミニトマトとイチゴ、両方用意するね!」
SD:運ばれてくるミニトマトのぎっしりつまった袋。
凛々子:亜里紗なら、近所の農家から普通にもらってきてそう。
亜里紗:…このくらいやっておけば、成功要素に何を使うかは分かりますよね(笑)
凛々子:(笑)
亜里紗:「サクランボも入れてみよう!」勿論、試作では試していない。
凛々子:でた、料理で失敗する人の典型例(笑)
「ちょっと! 試作でやってないんだから、プログラム用意してないわよ?」
亜里紗:「ミニトマトと混ぜれば入るんじゃない?」ざらざら。
SD:ぎゃー(笑)
凛々子:「まぁ、重量が同じなら機械の判定はごまかせるわね」
亜里紗:やばい、ほとんどtwitterによくある、○○診断の体になって来た。
凛々子:そろそろ機械動かして、量産試作します?
亜里紗:ですね。これ以上やると痛ましい(笑)
SD:では、ロールプレイに関する成功要素を提出してください。
あと、そのロールプレイの真意の解説をお願いします。
亜里紗:はい、【そそっかしい(14)】。
説明は…具体的にやった方がいい?
SD:はい。お願いします(笑)
特に、それがM*に寄与すると目論んでいる理由のあたりを。
まあ、賢明な読者の皆さんはお気づきだと思うが、いちおう解説していただこう。
亜里紗:この間違いレシピですと、基本的にはアスパラガスの胡椒焼きができるという…
SD:「アスパラ2万束」に、「胡椒いっぱい」と、明らかに間違えてものすごく多く入れているからだね。
つまり、料理の味としては失敗のしようがないだろう、ということですね?
亜里紗:ミニトマトとサクランボとイチゴがどうなるかはちょっと微妙ですが。
SD:了解しました。【そそっかしい(14)】受領。裁定はあとでまとめてやります。
凛々子さんのほうはどうでしょう?
凛々子:はい。
【海外で交渉が可能な語学力(12)】。
ソレシア語が堪能なので、海外の機械のマニュアル・操作盤を解読できます。こちらは、シンプルに。
SD:あい。【海外で交渉が可能な語学力(12)】受領しました。
しかしヒドイ交渉だったな(笑)
亜里紗:某宗教団体もびっくり的な。
凛々子:【強気(13)】ですし(笑)
SD:【そそっかしい(14)】は、よく考えられていたので1.5倍採用。
亜里紗:ありがとうございます。相変わらずルール的には苦しいことをやっていたのですが…
SD:【海外で交渉が可能な語学力(12)】もロールプレイが良かったです。1.5倍。
凛々子:どもです〜!
SD:それぞれ、14×1.5=21。12×1.5=18ですね。あわせると、21+18=39。
難易度28に対して39削るのはオーバーキルですね。
M*を達成しました!
一同:わーい!
凛々子:今回は失敗しても美味しかったですけれどね。料理だけに(笑)
亜里紗:それも覚悟はしてました…
SD:まあトマトやチーズは、混じっててもまずくはならないだろうし。
サクランボやイチゴは隠し味程度にしかならんでしょう。
凛々子:というかアスパラが他の10倍量な時点で、残りの具材は全て隠し味に(笑)
亜里紗:ですよね〜。
SD:いよいよ、製造が開始されました。
…うなりをあげて動き出す機械群。
気がつけば、品評のためのテーブル席は満席で、立ち見も出現する混雑ぶり。
まさに昼飯どき、北遠野重工社員一同が見守る中、巨大なアスパラガスの束が次々と機械に飲み込まれていく。
亜里紗:いつの間にか一同になってるよ!(笑)
凛々子:「巨大な」、は「束」にかかるんですよね?(笑) 「巨大なアスパラガス」、ではなくて(笑)
早瀬のプレイヤー(志真):「(ぼそ)このまま出てこなければいいのに…」
SD:刻まれたアスパラが大きなトレイにのせられる。
そこへ、振りかけられる、という表現では生やさしいほど大量に投入される胡椒。
チーズより、トマトより、明らかに胡椒が多い。
亜里紗:ですよね〜。
SD:そして焼成。
凛々子:(笑)
SD:…待つことしばし。
香ばしい、胡椒の焼けるにおい。
…大量の、アスパラの胡椒焼きのできあがりでございます。
亜里紗:黄色いものが出てくるかと思ったら、ほぼ緑と黒のものが出てくるという…
SD:あんぐりと口を開けて見ている社員たち。
凛々子:「ちょっと亜里紗、試作品と違わない?」(小声)
亜里紗:「え〜とね、試作は…どんなんだっけ?」
料理の出来上がりを待つ社員の輪の中。
志真が、担架に横たわる真帆を抱え起こして、機械から排出されたばかりの、もうもうと湯気の立つトレイを指し示す。
「あれが、私たちの希望ですわよ」
凛々子:真帆さんが死んじゃう(笑)
亜里紗:(爆笑)
「どんなんだったか忘れちゃったから食べてみる!」
凛々子:おお、さすが!
亜里紗:(ひょい…)「熱っ!」
凛々子:「(固唾をのんで見つめる)」
SD:(そのあたりのやりとりは志真からは見えてない)
亜里紗:「ちょっと冷ましますね。ふ〜、ふ〜、…」
(むぐむぐ)
「おいしいですよ?」
凛々子:亜里紗にガッツポーズ(外人4コマばりに)します。
亜里紗:これ先に書かないと真帆さんが不憫で不憫で…詰め腹切らされる役にしかなってない(笑)
凛々子:真帆さん、幸薄いのが魅力の一つです(笑)
志真は続ける。
「苦しませてしまいましたわね、月見里さん…ここでの最初の一皿はあなたに、と決めていましたの。
…お詫びの印の一皿、受け取ってくださいましね」
真帆は遠い目をしている。
凛々子:鬼だ、鬼がいる(笑)
亜里紗:駄目だ腹筋が痛い(笑)
やがて、二人のもとに皿が運ばれると、志真は、盛りつけられた太いアスパラをフォークでひと刺しし、真帆の口元へ運んだ。
「はい、どうぞ」
SD:真帆はおずおずと一口食べ…
SD(真帆):「ふ…最初からこれを食べられていたなら…どんなにか…」
(マシだったのに、と発声できずにがくりと気を失う)
凛々子:そうきましたか(笑)
亜里紗:薄幸すぎる。
凛々子:完璧な様式美ですね(笑)
SD:それを皮切りに、ほかの社員にも次々と振る舞われます。
亜里紗:亜里紗は周囲の目…は元々気にしていませんが、出てくる先からつまみ食いしてます。
まあ、単に焼いたアスパラも、実は結構おいしい。
勿論素材力とかあるんでしょうけど。
SD(社員):「うーん、酒がないのがなあ」
「昼飯なんだし、しょーがないだろ」
「でも米もないぞ?」
「そーいやそうだな」
亜里紗:米まで気が回らなかったか。そういえばそうでした。
SD:まあ、もともと主食っぽいメニューを、誤爆して胡椒焼きにしてしまった展開ですからねー。
凛々子:「米がなければアスパラを食べればいいじゃない!」
亜里紗:ぐはっ!(笑)
SD:ぎゃふん!
亜里紗:凛々子さん、それ破壊力ありすぎます。
SD:オチがついたところで、今回のM*達成ということで、締めたいと思います。
ありがとうございました。
凛々子:はい(笑)
亜里紗:は〜い。
無事、量産テストまで? 成し遂げた亜里紗と凛々子!
真帆も、アスパラ胡椒焼きの美味しさにさぞ癒されたことであろう。
しかし、本番のイベントではいったいどんな料理が振る舞われたのか、まったくの謎である。
果たして、近隣住民の皆さんの運命や如何に…?! (たぶん続かない!)
次回。ついに私立北遠野学園が、その姿を現す…!